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水道管の工事は誰でもできるの?水道配管の基礎知識を徹底解説
毎日の生活に欠かせない水道管の存在。
身近にはあるけれど、どんな水道管を使っていてどんな工事が必要なのかあまり知らない方が多いのではないでしょうか。
本記事では、水道管の種類や工事の方法などの基礎知識をご紹介します。水道管の工事に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
水道の配管工事は資格がなくても大丈夫?
水道の配管工事を行う業者は、水道管理技術者をひとり置かなければいけないと水道法19条で定められています。
無資格で工事を行った場合、思わぬトラブルで大損害を負ってしまう危険性もあるので、ここでは水道の配管工事に必要な資格と、無資格で工事を行った場合のリスクについてご紹介します。
きちんと施工するなら資格は必要
自治体から水道管の工事を請け負うためには、各種資格が必要です。
・「給水装置工事主任技術者」
・「下水道排水設備工事責任技術者」
・「管工事施工管理技士」
・「水道技術管理者」
主に必要な資格は上記の4つで、水道工事を行ううえで技術的な管理や作業員の指導監督に携わるための資格です。
場合によっては罰金や罰則を科せられる
無資格で工事を行ってなんらかのトラブルが発生した場合、その修繕にかかる費用だけでなく、生活に支障をきたすレベルであれば損害賠償を請求される可能性があります。
届け出なしで大きな水道管から屋内に引込を行った場合、水道法違反に問われたり地方自治体や国から器物損壊で訴訟されたりする可能性もあるのでご注意ください。
水道管工事は5種類ある
水道工事は5種類あり、それぞれ工事の内容や気をつけなければいけないポイントがあります。
ここでは、水道配管の5種類の工事方法についてご紹介します。
給水管引込工事
給水管引込工事とは、一般道などに通っている大きな水道管から、一般家庭の水道メーターまで給水管を引込むための工事です。
生活に必要なメインの水道管なので、漏水や水圧に問題がないかをしっかりと確認しながら施工する必要があり、各市町村の上下水道局が担当しています。
屋内配管工事
屋内配管工事は、引込んだ水道管を浴室やトイレなどに配管する工事です。
一般の業者が請け負って工事を行うのも可能ですが、水道法で定められた要件に沿ってミスがないよう丁寧に施工しなければいけません。
下水道排水工事
下水道排水工事とは、浴室やトイレなどから流れる汚水を公共の汚水桝に流すための配管工事と、それにともなう汚水桝の設置工事です。
汚水の逆流や不快感を感じる臭いの戻りを防ぐために、配管の勾配を既定の距離ごとに確認しながら仕事を行います。
浄化槽設置工事
浄化槽設置工事とは、下水道が整備されていない地域において、トイレの汚水しか受け入れていない古い単独浄化槽を、生活雑排水も処理できる合併浄化槽へと切り替える工事です。
修繕工事
修繕工事とは、敷地内にある水道メーターから給水装置が破損した個所を修繕するための工事です。
水道管が古くなると水漏れなどの原因になるので、定期的に水道管や水栓を交換する必要があります。
状況によって2種類の工法を使い分ける
水道配管には大きく分けて2種類の施工方法があり、それぞれメリット・デメリットがあるのでご紹介します。
ヘッダー工法
ヘッダー工法とは、給湯器やバイブシャフト周辺にヘッダーを取り付け、継ぎ手を使用せずに浴室やトイレなどそれぞれの場所に配管できる工法です。
水圧が弱まる心配もなく漏水の可能性も低いので、現在では主流とされている工法です。
分岐工法
分岐工法とは、主幹の配管からそれぞれの場所まで何度も継ぎ手で配管を繋げる工法です。
継ぎ手をいくつも使用するので漏水のリスクがあり、末端に向かうにつれて水圧が弱くなってしまいます。
ヘッダー工法と分岐工法の特徴を表にまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ヘッダー工法 | 分岐工法 | |
施工のしやすさ | ◎ | △ |
費用 | 〇 | ◎ |
漏水のリスク | ◎ | △ |
用途によって5種類の水道管を使い分ける!
水道工事に使われている管は5種類あり、それぞれ用途によって使い分ける必要があります。
ここでは各水道管をご紹介します。
一昔前の定番「鉄管(鋼管)」「鉛管」
一昔前まで主流とされていた水道管です。
耐震性に優れていますが、経年劣化によって錆びが生じてしまうので、定期的に交換などのメンテナンスが必要になります。
老朽化が早く故障した場合の処置が難しいので、近年ではポリ管やHIVP管への交換が進められています。
熱に強い「銅管」
鉄や樹脂製の管に比べて熱に強い銅管は、主に給湯管として採用されています。
銅管の接続には「はんだ付け」が必要で、溶かした軟ろうを受け口に塗り、接続部を均一に加熱しなければいけないので、施工にとても時間がかかるのがデメリットです。
主流になりつつある「ポリ管」
ポリ管(ポリエチレン管)は、PHIV管と同じく現在主流になりつつある水道管です。PHIV管よりも熱や振動に強く、鉄管などのように潤滑剤を使わなくても簡単に接続できます。
施工が簡単でコストも抑えられる「HIVP管」
プラスチック樹脂が原料のPHIV管は、現在主流となっている水道管です。
プラスチック樹脂なので錆びる心配がなく施工も簡単ですが、急な熱変化に弱いので給湯管としては使用できません。
酸化しにくい「エルメックス管」
エルメックス管は近年登場したばかりの水道管で、耐熱・耐寒性にとても優れています。
95℃からマイナス70℃まで耐えられるうえに塩素水にも強いので、これから主流になるのではないかと期待されています。
まとめ
本記事では、水道配管に関する基礎知識や水道管の種類についてご紹介しました。
水道管の工事は水道法によって決められた基準があり、毎日使うものだからこそしっかりと丁寧に施工する必要があります。
水道管の工事でお困りであれば、資格を保有していて実績と経験のある業者に相談してください。