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アーク溶接とは何か?アーク溶接の種類やメリット・デメリット、関連する資格を紹介!

溶接とは金属をつなぎ合わせる技術のことです。
さまざまなやり方がありますが、今回紹介するアーク溶接は最も使用頻度が高い溶接技術といえます。

本記事では溶接の種類やアーク溶接の仕組み、種類、アーク溶接のメリット・デメリットなどを紹介します。

アーク溶接とは何か?アーク溶接の種類やメリット・デメリット、関連する資格を紹介!

溶接の3つの種類

金属をつなぎ合わせる溶接には3つの種類があります。
「融接」、「圧接」、「ろう接」の3種類です。

融接は母材を溶かしたり、母材を接合するための溶接棒を溶かして金属をつなげる方法です。
圧接は摩擦や圧力、電流などで母材を溶かして金属を接合する方法です。
ろう接は「ろう」という溶加材を使用して接合する方法です。

今回紹介するアーク溶接は融接の一種です。

アーク溶接とは何か

アーク溶接はさまざまな分野で幅広く使用されている溶接方法です。
ここでは、アーク溶接のしくみや使用されるシールドガスについて解説します。

アーク溶接のしくみ

アーク溶接はアーク放電を利用した溶接方法です。
金属を溶かすにはかなりの高温が必要です。

たとえば、一般的な鉄の融点は1,500℃ですので、それ以上の高温が必要です。

アーク放電を用いると5,000〜20,000℃というとてつもない高温を発生させることができるため、鉄やその他の金属を溶かしてくっつけることが可能となります。

アーク溶接で用いるシールドガス

アーク溶接ではシールドガスが用いられます。
シールドガスとは、接合する部分を空気に触れさせないようにするために使用されるガスのことです。

溶接しているとき、接合部分が空気に触れていると溶けた金属が空気中の酸素と結びついて酸化したり、窒素と結びついて窒化してしまいます。
溶接部に水泡ができてしまうかもしれません。

そうなると、溶接部分がしっかり接合されない溶接不良の状態となってしまうのです。

シールドガスを使って接合部分を空気に触れさせないことで、接合不良にならないようにしています。

アーク溶接の種類

アーク溶接は「消耗電極式溶接」と「非消耗電極式溶接」の2つに大別できます。
それぞれの特徴についてみてみましょう。

消耗電極式溶接

消耗電極式溶接は電極が消耗する溶接方式で、ワイヤーや溶接棒を電極とします。
代表的な方法は以下の3種類です。

被覆アーク溶接

電極の金属に被覆材をかぶせたもので、新たにシールドガスを使用しないのが特徴です。
溶接時に被覆材が熱で分解されてシールドガスを発生させるため、シールドガスを用意する必要がありません。

マグ溶接・ミグ溶接

マグ溶接やミグ溶接は溶接するときにシールドガスを使用します。
マグ溶接は炭酸ガスなどをシールドガスとして使用するため、炭酸ガス溶接ともよばれます。

一方、ミグ溶接は他の物質と容易に反応しない不活性ガスをシールドガスとして利用します。
そのため、ステンレスやアルミ合金の接合に適しています。

エレクトロガスアーク溶接

エレクトロガスアーク溶接は船舶や橋などの大型のもので使用される溶接法です。

非消耗電極式溶接

非消耗電極式溶接は電極としてタングステン電極を多用します。
精密さが必要な溶接に向いた溶接方法です。

ティグ溶接

不活性ガスを用いた溶接方法で、溶接時に火花が飛び散らないことが特徴です。
ステンレスやアルミ、鉄などの溶接が可能です。

プラズマ溶接

熱集中性が高いのが特徴です。
ティグ溶接と同じく火花が飛び散らず、ランニングコストが安価です。

アーク溶接のメリット

アーク溶接のメリットは作業が速いことです。
高品質で安価な溶接機が販売されているため、複数台を稼働させて作業を効率的に行うことができます。

構造が比較的シンプルで点検がしやすく、安全性を保ちやすいというメリットがあります。
シールドガスを使用しない方法を用いれば、火災リスクも軽減できるでしょう。

アーク溶接のデメリット

デメリットはある程度の熟練度が必要だということです。
アーク溶接は資格を取得することで担当できる作業ですが、熟練度により作業品質に差が出ます。
人材育成に時間がかかるのがデメリットといえるでしょう。

アーク溶接に関連する資格

国家資格の「アーク溶接作業者」の資格を取得するには、11時間の学科と10時間の実技教育が必要です。
合格率はほぼ100%ですので、取得自体は難しくありません。

アーク溶接作業者以外にも、溶接技能を証明する「溶接技能者」、溶接現場での指導力を証明する「溶接作業指導者」、溶接作業指導者の上位資格である「溶接管理技術者」などがあります。

溶接関連の仕事をメインに行うのであれば、国家資格以外に上記の民間資格を取得してもよいでしょう。

まとめ

今回はアーク溶接を取り上げました。
溶接はさまざまな産業分野で必要とされる技術で、種類も非常に豊富です。

国家資格のアーク溶接作業者の取得はあまり難しくありません。
むしろ、資格取得後の技術向上がカギとなる職種でしょう。

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