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アーク溶接とガス溶接の違いとは?詳しく解説します!
溶接にはさまざまな種類があります。
数多くの溶接手法がある中で、現在最も一般的に使用されているのはアーク溶接とガス溶接です。
アーク溶接とガス溶接の違いはさまざまありますが、一番大きな違いは名前にあるとおり溶接の手法です。
アーク溶接は電気によって高熱を発生させ溶接を行うのに対し、ガス溶接はアセチレンガスといったガスによって高熱を発生させ溶接を行います。
これ以外にも、両者には多くの違いがあります。例えば、利用されやすいケースやメリット・デメリットです。これらの違いは両者の特徴を表しています。溶接を行う際には両者の特徴を踏まえたうえで、どちらの方法が適しているのか考慮する必要があります。
本記事ではアーク溶接とガス溶接の違いについて詳しく解説します。
この記事を読むことでアーク溶接とガス溶接についてより深く知ることができ、両者の違いについて理解することができます。溶接を考えるうえでの助けとなることでしょう。
アーク溶接とガス溶接について興味がある際には参考にしてください。
アーク溶接とガス溶接の手法の違い
アーク溶接とガス溶接の一番の大きな違いはその手法です。特に溶接時に高熱とする際に使うものに違いがあります。つまり、電気を使用してるのか、ガスを使用しているのか、この点が違いとなります。
もう少し具体的に説明すると、アーク溶接では溶接棒と溶接したい部分の間に熱を発生させ溶接します。ガス溶接に比べると溶接時の温度は高くなります。
一方、ガス溶接は高熱のガスを用い溶接を行う方法です。
このように、アーク溶接とガス溶接では電気を使用するのか、ガスを使用するのか、この点が最も大きな違いとなります。
アーク溶接とガス溶接が使われるケースの違い
アーク溶接、ガス溶接ともに多くの場面で用いられる溶接方法です。溶接に関してはどちらの手法でも目的を果たすことができます。その中でも、アーク溶接、ガス溶接が好んで使われるケースがあります。
ここでは、そのケースの違いについて解説します。
アーク溶接が利用されるケース
アーク溶接の場合、このようなものがあります。
・鉄骨
・船舶
・航空機
・自動車
特徴としては大型の輸送機器や鋼材の溶接に多く使用されています。
ガス溶接が利用されるケース
一方、ガス溶接の利用例としてはこのようなものがあります。
・融解点が低い金属
・薄板で割れやすい金属
・高耐熱性のないもの
・エアコンの配管
特徴を活かしつつ汎用的に利用されることが多くなります。
アーク溶接とガス溶接のメリット・デメリットの違い
アーク溶接とガス溶接には、それぞれメリット・デメリットがありますが、溶接方法が違うため、その点においても大きな違いがあります。メリット・デメリットは両者の特徴を表すもので非常に重要です。
ここでは、両者のメリット・デメリットについて解説します。
アーク溶接のメリット
アーク溶接のメリットは以下のとおりです。
・歪みが少ない
・形状に左右されない
・長時間の作業が可能
特徴を活かしたメリットが多いことがおわかりいただけるかと思います。
ガス溶接のメリット
ガス溶接のメリットにはこのようなものがあります。
・溶接部分が見やすい
・薄板鋼材に向いている
・溶接不良を防げる
いずれの点も特徴を活かした点がメリットです。
アーク溶接のデメリット
アーク溶接のデメリットにはこのようなものがあります。
・感電の危険性がある
・スラグ処理が発生する
・溶け込み不良による強度の劣化
手法や仕組みそのものが原因となるものが多いのが特徴です。
ガス溶接のデメリット
ガス溶接のデメリットにはこのようなものがあります。
・作業効率が悪い
・余計な部分を加熱してしまう
・ひずみが発生しやすい
主に温度に関する特徴がデメリットになります。
まとめ
ここまでアーク溶接とガス溶接の違いについて解説しました。改めて整理します。
アーク溶接とガス溶接の一番大きな違いはアーク溶接では電気を使用する一方で、ガス溶接はアセチレンガスを使用する点です。この他にも、利用するケース、メリット・デメリットで大きな違いがあることがわかりました。
アーク溶接が高温で溶接材と金属を融解するのに対し、ガス溶接は低温で金属を融解し溶接を行います。アーク溶接の場合は、大型の鋼材や輸送機器の溶接に利用されることが多くなります。一方、ガス溶接は低温で融解する金属や薄板で壊れやすい金属の溶接をすることに適しています。
この点はメリット・デメリットでもあります。つまり、アーク溶接は短時間で作業を効率的に行い、耐久性を必要とする溶接のケースで利用しやすく、ガス溶接は作業時間が長くなるものの耐久性を必要としない溶接に適しています。
このように、両者には大きな違いが数多く存在します。これらの違いは両者の手法や特徴から発生しています。溶接を行う際には、特徴を踏まえてどちらの溶接方法が最適なのか考えることが重要です。