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井戸ポンプはどのような仕組み?動作原理を井戸の種類を含めて解説!

皆さんは、井戸ポンプがどのような仕組みかを知っていますか?

普段の生活では、あまり馴染みの無い井戸ポンプですが、さまざまな災害によって水インフラに支障をきたした際の水源確保の手段として注目されています。

今回は、さまざまな井戸に使われるポンプの仕組みを井戸の種類を含めて解説します。

井戸ポンプはどのような仕組み?動作原理を井戸の種類を含めて解説!

井戸ポンプはどのような仕組み?

井戸ポンプは、ポンプの用途や井戸の深さに応じてさまざまな種類が存在します。
その中で、代表的なものが手動ポンプとジェットポンプです。

本項では、井戸ポンプに用いられる手動ポンプとジェットポンプの仕組みをそれぞれ解説します。

手動ポンプの仕組みを教えて!

手動ポンプは、ヒトの手でレバーを動かし、レバーと繋がっているピストンを上下させることで、液体を吸い上げるタイプのポンプです。

手動ポンプの動作は、以下のステップで行われます。

1.レバー操作でピストンを引き上げる
2.ポンプ内(液面とピストン間)の圧力が著しく低下する
3.ポンプ外側の圧力(大気圧)がポンプ内より高くなる
4.ポンプ内の液面が押し上げられ、ポンプの出口から液体が排出される

上記の動作は、ピストン動作による内部圧力の変化を利用しており、竹筒を使った水鉄砲に水を入れる原理と同じです。
竹筒を使った水鉄砲は、水面に発射口を付け、レバーを引き上げると竹筒内で上記のステップと同じ現象が起こり、内部に水が溜まります。

このように、手動ポンプではポンプ外側の水面に掛かる大気圧の力を借りて、ポンプ内の水面を上昇させて、水を排出する仕組みだとわかります。

ジェットポンプの仕組みを教えて!

手動ポンプは、ヒトの手を動力としたシンプルな仕組みのため、深い井戸から水を取り出すために時間と労力が必要です。
そのため、深い井戸ではモーターの動力とジェット噴射を利用したジェットポンプが用いられるケースがあります。

ジェットポンプは、地面から地中にかけて2本の配管を設置し、圧力管と吸込管に分けて用いる仕組みになっています。
吸込管は、地上から地下水まで伸びており、地下水の通るルートを作っています。

一方、圧力管は吸込管と並走するように設置されており、圧力管の先端にはジェットノズルが設けられています。

また、圧力管のジェットノズルは、地中で吸込管と合流し、上向き(地上向き)にジェットノズルの先端が向くように設置されている点が特徴です。
ジェットポンプの動作は、以下のステップで行われます。

1.モーターの動力を借りて地上から圧力管に水を送り込む
2.送り込まれた水がジェットノズルに達する
3.吸込管内で水がジェット噴射する
4.吸込管の内部にジェット流が生まれる
5.ジェット流が地下水を地表まで持ち上げる

このように、ジェットポンプは地上から水を送り、ジェット流を発生させることで、水を地上まで押し上げています。

井戸にはどのような仕組みのポンプが使われる?

前項では、井戸ポンプに用いられるポンプの仕組みを解説しました。
では、上記のポンプはどのような井戸に用いられているのでしょうか。

本項では、井戸の種類によるそれぞれのポンプの使い分けをメリットを含めて解説します。

浅井戸にはどのようなポンプが使われる?

浅井戸は、10m程度の深さの井戸を差しており、浅井戸から取り出される地下水は生活用水などの生活に密着した用途に使われる傾向があります。

浅井戸には、従来より手動ポンプと電動ポンプが併用されるケースが多く、特に手動ポンプは地下水の取り出しに時間と労力を要するものの、停電時にも使用できる防災用のポンプとして注目を集めています。

加えて、現在の手動ポンプは労力をあまり必要とせずに使える製品も増えており、より一層の需要が期待されると言えるでしょう。

しかしながら、地下水の取り出しにヒトの手と大気圧の力を使うため、井戸の深さによってはジェットポンプの利用が必要となるケースも存在します。

深井戸にはどのようなポンプが使われる?

深井戸とは、30mより深い井戸を指しており、岩盤よりも下にある地下水を取り出すために使われます。
そのため、浅井戸から取り出す地下水とは違い地表からの影響を受けにくい点が特徴です。

深井戸には、ジェットポンプが使われることが多く、地上にモーターや制御盤などを配置し、スイッチ操作によって地下水の取り出しを可能とします。
加えて、ジェットポンプは浅井戸にも利用できるので、井戸の深さによらない利便性の高さが魅力です。

一方、ジェットポンプは配電盤を用いてモーターの動作をコントロールしているため、さまざまな電子機器を必要とします。
そのため、モーター動力部の定期的なメンテナンスや手動ポンプに比べて動作音が大きい点に加えて、配電盤内にある電子機器の定期交換を必要とする弱点があります。

しかしながら、ジェットポンプは地表に近い部分の土壌成分によらず、時間や労力をかけずに地下水を取り出せるので、平時には必要なポンプと言えるでしょう。

井戸ポンプはどのような仕組み?動作原理を井戸の種類を含めて解説!まとめ

今回は、井戸ポンプに用いられるポンプの仕組みを解説しました。
井戸ポンプは、平時には電気を用いたジェットポンプを使用し、停電の際にはシンプルな仕組みの手動ポンプを残している点が特徴です。

本記事が、井戸ポンプの仕組みや井戸による使い分けを知る一助になれば幸いです。

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